空色野原

空の下 野原にねころんで つぶやく
No  65

命の塊だけになった日

先日、新聞に美内すずえさんの記事がありました。
アマテラスという本はずいぶん以前に読んでいたけれど
具体的な美内先生の体験は初めて知りました。

美内すずえ

 ~追憶の風景(大峰山麓/奈良)~<2011.2.9朝日新聞より抜粋>

 なぜ「ガラスの仮面」の連載は35年間も続いているのか。26年前、その前と後とで人生が変わるような体験をしたことが、理由の一つです。
 連載は1975年に始まりました。一見平凡だけど、演技にかけては天才の北島マヤ。映画界の大御所を両親に持つ美貌の姫川亜弓。伝説の劇「紅天女」の舞台をどこにするか。迷っていました。85年11月、知人からいい場所があると聞き、足を運んだのが奈良県の奥吉野にある、天川村の天河神社でした。
 田舎風の家やお社があるだけなのに雅な雰囲気を感じました。奥吉野は南北朝の南朝が置かれた場所で、紅天女の時代設定にぴったり、と思った。
 翌月、弁財天の開眼儀式があるというので、一人で再び訪れました。山奥なのにニューヨークのミュージシャンが来ていて、広間では何十人も集まって立食パーティーを開いていました。私は部屋の中で、レゲエを聞きながら、柿の葉ずしを食べていたんです。
 その時、不思議な体験をしたんです。言葉で語っても、本当に理解してもらうことは難しいのですが。
 突然、まるで自分が地球に開いた穴の真ん中にいて、大地の底から吹き上がる冷たい空気にさらされ、体が透けていくような感覚を覚えました。残ったのは感情も肉体もない、命の塊だけ。それが本当の自分。他の生き物や火や水、いろいろなものとつながって生きている、と感じました。一晩で人生観が変わってしまった。

 ~後略

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美内さんは登場人物を通じてその感覚を伝えようとしていますが
苦労しているそうです。
未完の作品「アマテラス」も、半分以上は実体験だとか。

アマテラス

生き方も変わったそう。
当時は連載も好評で、結婚も3年目。
のっていて、描きたい作品もたくさんあり、やる気満々だった。
でも、今までの自分は本当ではなかったのだと、夢から覚めたようだった。
物質的なものへのこだわりが、全くなくなった、と続きます。

「ガラスの仮面」の連載はいつ終わるのかご本人にもわかりません。
あの体験がなければ
もう少し普通の演劇漫画としてもっと早く終わったかもしれないそう。

アマテラス2
アマテラスの中身

「アマテラス」に出て来る倭姫については
現在ただいまも倭姫がこのくにを守っていると感じ
涙があふれて原稿が描けなくなったこともあったとか。

それは伊勢の倭姫宮の前に立った時にわたしも感じました。
全身にざわっと鳥肌立つような
泣かずばおれぬような
きめのこまかい慈愛の粒子。

かたちなくともあるものはあるし
表面のジブンにはおよびもつかないようないのちの塊だけ
というのはやはり
アル、と思います。

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